戸建住宅の外構設備を中心としたオリジナルブランドシリーズ「エンテラス」の第一弾商品としてデビューした「エンガワ」。今回は、実際にお客さまの住宅に施工したエンテラスにて、開発担当である共ショウの清竹兼爾さんが、商品の魅力やコンセプト、開発に至った経緯、今後のビジョンなどを語りました。
実際に体感して感じた
エンテラスの魅力
「エンテラス エンガワ」は、「外にいながら室内とゆるやかにつながるようなくつろぎを演出する」をコンセプトに開発した商品です。リビングと屋外をつなぐ縁側のような中間領域で、何気ない日常のひとときを照らすスペース。今回、お客さまの住宅に実際に施工し、コーディネートまで行ったエンテラスで、CGパースでは表現しきれない心地よい陽光や風などを体感し、その魅力を開発者としても再確認しました。
通常、新たな商品を開発する際、ターゲットや活用シーンを想像しながら作り上げていきますが、エンテラスは、昨今の多様なライフスタイルに対応できる自由度の高い空間を目指し、ターゲットはあえて設けませんでした。また、意匠や機能の部分も、細部までつくりこまないゆえの自由度の高さがあります。お酒をよく飲む人が七輪で食材を焼いて一緒に楽しんだり、釣りが好きな人は釣ってきた魚を捌いたり…。アウトドア好きもそうでない人も、それぞれが私たちが想像しなかった楽しみ方で活用してもらえる商品だと思っています。
心地よさをカタチにしたい
社会背景から生まれた商品
もともと前職で、屋上やワイドバルコニーを製作した経験があり、当時からエクステリアに関する商品の需要を感じていました。実際にお客さまから、「家の外の空間を楽しむ商品をつくってほしい」との声をいただいたこともあります。また、これまでサンルームやテラスといった製品はあったものの、自分のアイデアや、本当に作りたいと思うもの、「こと」を楽しむ空間をカタチにしたいと考えていました。ウッドデッキやテラスでは、天然木が利用されることが多いのですが、経年劣化も起こります。年に一回は塗り替えが必要になり、長い目で見るとコストがかかる。エンテラスは、天然木の風合いを感じるメンテナンスフリーの新素材を採用しました。一般的な無垢材は手入れも大変ですが、この素材なら手間がかからずに高級感を演出することができます。
コロナ以前は、飲みに出かけたり旅行に行ったり、「外出すること=豊かなこと」と感じる人が多かったように思います。しかし、コロナ禍を経て、人々の生活スタイルが変化し、「“家”という空間でいかに心地よく、豊かに過ごすか」が重視されるようになったことも、エンテラス開発のきっかけになりました。派手な暮らしで見栄を張るのではなく、“本当の豊かさ”が求められるようになってきたのではないでしょうか。
住宅に関わるモノではなく
“暮らしを楽しむコト”を届けていきたい
共ショウは、会社の規模は小さいながらも、従業員一人ひとりがチャレンジしやすい環境。新たなアイデアを提案した際も、頭ごなしに否定されることはありません。そんな雰囲気のおかげもあり、エンテラスの開発につながったとも感じています。
今回、エンテラスは共ショウが初めて手がけたオリジナルブランド商品です。社員が一丸となって“良いものをつくり上げよう”と同じ方向を見ながら走り抜いてきました。開発に携わるスタッフだけでなく、社員はみんな建築に関わるプロフェッショナルばかり。よりよい素材を提案したりと、何度も試作を繰り返したりしながらカスタマイズを行いました。それぞれの専門性を生かしてユニークな商品を生み出すことができたと自負しています。お客さまが住宅をつくる際、一般的にエクステリアや外構に大きなコストはかけることは現実的ではありません。昨今の資材高騰という壁にも直面しながら、なんとかお客さまが手軽に導入しやすい価格でお届けすることができたと感じています。
エンテラスはテラスというモノではなく、そこで楽しむコトを届ける商品。今後は、カーポートやガレージの役割を持ちつつ、プラスアルファでお客さまがその空間で暮らしを楽しむことができる商品をさらに開発・展開していきたいと考えています。